壁にひび割れを見つけた時、多くの人が直面するのが「これは自分で直せる範囲なのか、それとも専門の業者に頼むべきなのか」という判断の難しい問題です。この選択を誤ると、問題をかえって悪化させてしまったり、無駄な出費に繋がったりすることもあります。そこで、DIYで対応できるケースと、迷わずプロに任せるべきケースの明確な判断基準、そして業者に依頼した場合の費用相場について解説します。まず、DIYでの補修を検討できるのは、いくつかの条件を満たす場合に限られます。それは、「内壁」にできた、「幅が0.3mm以下のヘアークラック」で、かつその原因が「建物の構造に関わらないもの(表面的な乾燥収縮など)」と考えられる場合です。このような軽微なひび割れは、市販の補修パテなどを使えば、見た目をきれいにすることが可能です。ただし、これはあくまで内壁の話。たとえ細くても、「外壁」のひび割れは雨漏りの原因となるため、安易なDIY補修は避け、専門家に相談するのが賢明です。では、どのような場合にプロに依頼すべきなのでしょうか。その判断基準は明確です。まず、ひび割れの「幅が0.3mmを超えている」場合。次に、「窓やドアの角から斜めに亀裂が走っている」「基礎に水平のひび割れがある」など、建物の構造に関わる可能性のある「危険なサイン」が見られる場合。そして、「ひび割れが多数ある」あるいは「家全体に広がっている」場合です。これらのひび割れは、家の安全性に関わる根本的な問題を抱えている可能性が高く、専門家による原因の診断と、適切な補強工事が必要になります。業者に依頼した場合の費用相場ですが、内壁の部分的な補修であれば、一箇所あたり1万円~3万円程度。外壁のひび割れ補修は、数万円からが目安ですが、高所作業のための「足場」が必要になると、足場代だけで15万円以上かかることもあります。費用はかかりますが、家の安全は何物にも代えがたいもの。迷ったら、まず専門家に見てもらうという選択が、後悔しないための最善策です。
壁のひび割れ補修、DIYか業者か?プロに頼むべき判断基準と費用相場