築15年になる我が家のリビング。ある日の午後、窓から差し込む西日が、壁に一本の細い線を描き出しているのに気づきました。それが、我が家の「壁のひび割れ」との長い付き合いの始まりでした。最初は、髪の毛ほどの細さだったので、「まあ、古い家だし、こんなものかな」と、あまり気に留めていませんでした。しかし、半年ほど経った頃、その線が以前よりも少し長く、そして太くなっていることに気づき、私の心に一気に不安が広がりました。「このまま放置して、家が傾いたりしたらどうしよう」。その夜、私はインターネットで「壁 ひび割れ 危険」というキーワードを夢中で検索しました。すると、窓の隅から斜めに伸びるひび割れは、構造上の問題を示唆する危険なサインである可能性がある、という記事が目に留まりました。我が家のひび割れは、まさにそのパターンでした。これは素人判断で放置すべきではないと直感した私は、翌日、地域で評判の良いリフォーム会社数社に連絡し、点検と見積もりを依頼することにしました。業者選びで重視したのは、価格の安さよりも、こちらの不安な気持ちに寄り添い、原因を丁寧に説明してくれるか、という点でした。最終的に、最も診断が丁寧で、説明が分かりやすかった一社にお願いすることに。診断の結果、幸いにも地盤沈下などの深刻な問題ではなく、長年の建物の微細な歪みの蓄積が原因だろう、とのこと。補修工事は、まずひび割れ部分をU字型にカットして溝を広げ、そこに弾力性のあるシーリング材を充填し、最後に周りの壁と質感を合わせた塗装で仕上げる、というものでした。工事は2日ほどで完了。ひび割れが跡形もなく消えた壁を見て、まず感じたのは、見た目がきれいになったこと以上に、「家の構造は大丈夫だったんだ」という、深い安堵感でした。あの時、小さなサインを見逃さず、専門家に相談するという一歩を踏み出して、本当によかった。今回の経験は、家のメンテナンスの大切さと、不安を一人で抱え込まないことの重要性を、私に教えてくれました。
壁のひび割れ、放置しなくてよかった!我が家の補修体験記