分譲マンションのお風呂リフォームは、一戸建ての場合とは異なり、マンションならではのルールや構造上の制約があり、それらを無視して計画を進めることはできません。後々のトラブルを避け、スムーズにリフォームを完了させるために、必ず知っておくべき特有の注意点を解説します。まず、何よりも先に確認しなければならないのが、マンションの「管理規約」です。管理規約には、リフォームに関する様々なルールが細かく定められています。例えば、工事を行える曜日や時間帯、資材の搬入・搬出に使う共用廊下やエレベーターの使用方法、そして近隣住民への事前の挨拶の要否などです。これらのルールを守らないと、管理組合から工事の中止を命じられたり、他の住民とのトラブルに発展したりする可能性があります。リフォームを計画する最初の段階で、必ず管理規約に目を通し、定められた手順に従って、管理組合へのリフォーム申請を忘れずに行いましょう。次に、構造上の制約として注意が必要なのが、「ユニットバスのサイズ」です。マンションの浴室は、天井に大きな梁(はり)が出ていたり、壁に配管スペース(パイプスペース)があったりすることが多く、設置できるユニットバスのサイズが限られてしまうケースが少なくありません。現状よりも広いユニットバスを設置したいと思っても、これらの構造物が邪魔で、希望通りのサイズが入らないこともあります。経験豊富なリフォーム業者であれば、こうした梁や柱をうまくかわすための工夫や、対応可能な製品を提案してくれます。また、給排水管やガス管、換気ダクトといった「配管・配線」も、勝手に位置を変更することはできません。特に、排水管の勾配が取れないと、水の流れが悪くなる原因になります。これらの設備関連の制約についても、専門業者に現場をしっかりと調査してもらうことが不可欠です。マンションでのリフォームは、自分一人の問題ではなく、建物全体、そして他の住民との共同生活の一部であるという意識を持つことが、成功への鍵となります。
お風呂リフォームで注意すべき特有のルールとポイント