ポストに放り込まれた一枚のリフォームチラシが、私の十年来の悩みを解決するきっかけになるとは思いもよりませんでした。我が家のキッチンは築二十五年を過ぎ、扉の建付けは悪くなり、換気扇の油汚れも素人の掃除ではどうにもならない状態でした。リフォームをしたいという思いは常にありましたが、どの業者に頼めば良いのか、どれくらいの費用がかかるのかという不安が先立ち、なかなか一歩を踏み出せずにいたのです。そんなある日、ふと目に留まったチラシには「主婦の視点で作った家事ラクキッチン」というキャッチコピーとともに、近所で見覚えのある公園の近くの家が施工例として紹介されていました。そのチラシは派手な激安アピールではなく、今のキッチンで何に困っているかを丁寧に問いかける内容で、私の心の中を見透かされているような不思議な感覚を覚えたのを覚えています。特に印象的だったのは、その会社のスタッフ紹介のコーナーで、担当者の顔写真とともにそれぞれの趣味やリフォームにかける想いが綴られていたことです。それまでの私は、リフォーム業者に対して「強引に契約を迫られるのではないか」という漠然とした恐怖心を抱いていましたが、そのチラシからは地元の企業としての誠実さが伝わってきました。思い切ってチラシに記載されていた無料相談の番号に電話をしてみると、対応してくれたスタッフの方は非常に丁寧で、後日行われた現地調査でも、今のキッチンの不満点だけでなく、将来的な家族構成の変化まで見据えたアドバイスをくれました。見積書の内容もチラシの基本価格から何が変更になったのかが明快で、納得して契約に進むことができました。工事期間中も、職人さんたちが毎日笑顔で挨拶してくれ、作業の進捗をその都度説明してくれたおかげで、不安を感じることなく過ごせました。新しくなったキッチンは、チラシで見た通りに使い勝手が良く、毎日の料理が楽しくて仕方がありません。あの日、あのチラシをゴミ箱に捨てずに読み込んで本当に良かったと、ピカピカのシンクを眺めるたびに実感しています。